YOASOBIに関心した話

みなさん、「YOASOBI」とか「ヨルシカ」とか「ずとまよ」ってご存知でしょうか。


いずれも最近人気のアーティスト、とくに若者人気がすごいのですし、偶然にもすべて「夜」に関係してますね。


ヨルシカはNEWS23のエンディングテーマになるぐらい。もはやマイクロとは言えないぐらいマスにインフルエンスしていると思います。

そんな中、たまたまYOASOBIの生まれた経緯について耳にしました。こちらはソニーミュージックが運営するmonogatary.comという小説&イラスト投稿サイトに投稿された小説を原作に作曲するというコンセプトのアーティストです。

もともとは若手が社内ビジコンで出したらしいmonogataryというサービス。単に「UGCで小説を集めよう」みたいなだけだと昔ながらある携帯小説サイトとさしてかわらないと思います。

しかし、裏側の意図としてはストーリーの原作を集めることで、そのストーリーとリンクしたアーティストを作りたいというのがそもそも目的だったとのこと。 恋空のように魔法のiらんどから映画化、ピクシブから漫画化、みたいなのは昔からいくらかあったと思うのですが、すこしおしゃれな変化球ですよね。

少し話を横にそれまして、やっぱりIPって偉大なんです。

ただし、委員会で作ったIPや、外から持ってきたIPだと自分達(レーベル)の裁量が狭まります。SONYさんといえば、稼ぎ頭は坂道だったりアニプレックスだったらFGOだったりすると思うのですが、両方ともIP権利元の影響力がかなり強いでしょう。 なので、自分たちで管理できる原作を作る手段としてのUGCプラットフォームを作り、小説を小説としてでなく音楽として育てるっていうコンセプトを立ち上げたわけです。

 この話、ちょっと良く出来すぎていて後付け要素もわりとある気がします。が、いずれにしてもヒットしてる事実がありますし(しかも割と短期に結果が出ている)、単純に「曲を作って送ってくれ!」みたいないわゆる昔ながらのオーディションとか、「歌ってnanaやYouTubeに投稿してくれ!」みたいなのって、まぁそこそこハードルも高いし、ほんとに優れた才能ってそれこそ10万人に1人とかそのレベルだと思うので、今既にプラットフォームが色々ある中で新たに発掘していくのは簡単ではないでしょう。

 そんなときに、小説で文字を書くって曲を作るとか歌を歌うっていうのと違う才能だし、それはそれで誰でもできる作業なので、参加のハードルがだいぶ変わってきます。 しかも今まで表に出てこなかった才能と出会う可能性も高そうです。そういったずらしのテクニックも含めて、優れた取り組みだなーと関心しました。


昔はトップクリエイターが作り、チャネルの力とプロモーションの力含めてヒットが比較的意図的に生み出されていた時代から、今は多くの人を巻き込んで民主的に作品を育てそれがヒットになるという時代です。ただ、UGCをそのままキレイにラッピングし直して広く売るというだけでは芸がありませんし、すぐ才能は枯渇してしまいそうな気がします。そんななか、UGCをそのまま目に見えている価値だけで受け取らず、もう1段クリエイターの力でブーストさせる。そんなクリエイティブのあり方が、さらに1段時代を先ゆくクリエイティブなのかな。と思いました。

っていうお話でした。

akesaka's note

マーケティングと音楽について